消防設備の種類を詳しくご説明致します!

消防設備の種類

消防設備には様々な種類がありますが、ここではホームページでは、消防設備点検とは何か?ご存知で無い方のために、十分にご理解して頂くために開設致しました。少しずつの更新ではありますが、消防設備点検について書いていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

 

 消防設備の中で最も重要な位置を占めるのが、この消火器になります。一昔前では転倒させて使用する泡消火器が主流だったようですが、最近ではABC粉末消火器が主流となります。

ABCのAは普通火災、Bは油火災、Cは電気火災を差し、つまり万能タイプの消火器となっています。
その他にも強化液消火器などがあり、こちらは水に近い中性の液体のものが一般的です。東京では粉末と強化液の消火器を交互に置く事が多いです。理由としまして粉末消火器は大きな炎を一瞬にして小さくするという窒息効果が高いですが、くすぶっている火を消火するには冷却効果の高い強化液が優れていると言われています。従いまして、両方の消火器を使用して万全に火災を防ぐために交互に置いています。

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   自動火災報知設備とは、よく天井に見かける感知器はご存知の方も多いかと思いますが、感知器が熱又は煙を感知すると、自動で音で火災を知らせる設備となります。最近話題の住宅用火災警報器は単体で音が鳴動し、自分自身が火災を知り逃げるために設置促進されているのに対し、自動火災報知設備は建物の各階ベルで音が鳴動するため、建物の全ての方達に知らせるのが目的となります。

自動火災報知設備は、主に受信機、発信機(押しボタン)、ベル、感知器などで成り立っています。全て、配線が必要になってきますので、既存の建物に設置するには現地調査のうえ見積する事となります。 新宿歌舞伎町のビル火災により法令改正が行われ、特定用途が含まれる雑居ビルには設置が必要となりました。グループホーム等でも面積に関わらず設置が必要ですので詳細は我々消防設備業者へ問い合わせ頂ければと思います。

また、大きな防火対象物では、自動火災報知設備は様々な消防設備の核ともなります。発信機を押す事により消火栓ポンプを起動したり、感知器の作動により防火ドアを作動させたり、誘導灯をフラッシュさせたり、ドアを開錠させたり警備会社へ連絡したり、消防署へ通報したりと様々な役割を担うため、消防設備の中心的存在です。

 天井に設置されている煙感知器
 
 
 
 

 避難器具には避難はしごや救助袋、緩降機、滑り台など様々な種類がありますが、マンションなどの避難ハッチ式のはしごが最も多いかと思います。避難ハッチの枠は平成4年よりステンレス製に限定される事となっており、鉄製の枠は失効となっています。鉄製の枠は雨水の浸入により錆びやすく腐食が進行すると水漏れの原因となるばかりか、建物にも影響を及ぼしますのでステンレス製への改修を推奨します。

避難ハッチは蓋を開けると同時に下蓋が開く仕組みとなっています。古いタイプでは上蓋を開けた後、下蓋を開けるタイプもあります。蓋を開けたらあとは「押す」と書かれている所を押したりと一動作にてはしごが降りる仕組みとなっています。

その他、避難器具はなかなか使用が困難な器具が多いように思います。緩降機の使用方法は、調速器と呼ばれる部分を固定されているバーにかけて、リールを外に投げ出し、着用具を背中に巻きつけ締め付けて、あとは飛び降りるだけです。調速器が速度を調整してゆっくりと降りていきます。平成6年2月以前に認定を受けた緩降機は失効となっております。これは以前の緩降機を使用して点検を実施した設備士が降下した際に着用具が体から抜けて死亡事故が発生したからです。 現在のタイプは改善され、降下した際に自重で自動的に着用具が締め付けられるようになりました。まだまだ失効タイプの緩降機がおかれている物件がありますので早急な交換を推奨します。


ステンレス製避難ハッチへの改修工事
 
 

 誘導灯は避難口を点灯して避難場所を瞬時にわからせる設備になります。よく見かける緑に人が逃げる形の白抜きされた照明です。また、大きな建物では中間地点に白のパネルに緑色の人間の形を書いた通路誘導灯もあります。無窓階など停電の際に真っ暗となってしまう所には必須の設備です。

この設備は停電時にも点灯している必要がありますので配線だけでなくバッテリを積んでいます。停電時には20分以上、点灯を保持する事が消防法により定められています。実際に照明が20分点灯を保持するにはそれなりの容量のバッテリが必要であり、現在はニッカド電池が主流となっています。携帯の電池同様、年数が経過しますとバッテリの寿命が消耗します。だいたい8〜13年と言われていますが、最近の高輝度誘導灯バッテリはもっと寿命が短いように思います。誘導灯バッテリーは消火器の次に維持管理費がかかる設備と言えるでしょう。

また、東京ではアパート等の階段通路に設置されている直管球型の照明も階段通路誘導灯として点検対象に含まれます。非常照明はあくまで建築設備に該当しますが停電の際に避難経路を確保する意味では同じ物ですので維持管理が必要な設備といえるでしょう。


上が避難口誘導灯(高輝度タイプ)
下が通路誘導灯(従来型タイプ)
 
 

 スプリンクラー設備は主に老人ホーム、病院、ホテル、11階以上のビル等、決められた面積や基準を満たした建物に設置が義務付けられています。スプリンクラー設備は、火災の際に天井などに設置されたスプリンクラーヘッドが熱を感知すると、 スプリンクラーヘッドの感熱部が熱のために溶けて開き、水を散水する設備です。標準的なものはだいたい70度くらいで反応し、1分間に80Lもの水を散水します。

タイプには湿式と乾式があり、通常は湿式といって天井に設置されているスプリンクラーヘッドまで水が充満していますので、万が一70度近い温度のものをヘッドにさらしたり、ヘッドをぶつけて壊してしまったりすると大変に注意が必要です。寒冷地などでは水が充満していると凍った際に配管の破裂の危険を伴うため乾式となっています。そのため火災感知から放水までのタイムラグが発生します。

スプリンクラー設備(湿式)はまた、各階、各区域毎にアラーム弁というものが存在し、そこから二次側のスプリンクラーヘッドに配管されていますが屋内消火栓設備と異なり、配管の圧力を圧力スイッチにて常に監視しており、圧力が一定より低くなった際には自動でポンプを起動する仕組みとなっています。従って、配管の老朽化による漏れ等があった際にはポンプ作動の原因となりますので短い期間での点検が必須な設備といえるでしょう。


     スプリンクラーヘッド



 

 非常警報設備は、火災の際に押しボタンを押すことにより建物全体へ非常ベルを鳴動させ、火災が起きている事を建物内の人へ知らせる設備になります。「非常ベル」と呼ばれ、起動装置、表示灯、音響装置で構成されています。

誘導灯と同様にバッテリを内蔵しており、停電の際にも表示灯が点灯し押しボタンを押してベルが鳴動する必要があります。従いましてバッテリーの維持管理にも注意が必要です。

最近では、新宿歌舞伎町のビル火災による消防法改正により、特定用途を含んだ雑居ビルは自動火災報知設備の遡及適用が進んでいるため、非常警報設備から自動火災報知設備へ移行していく傾向にあります。新築の共同住宅等でもGP3級という小規模の自動火災報知設備が主流となっており非常警報設備は衰退していく方向であるといえるでしょう。

  
非常警報装置(複合露出型)

 

 非常放送設備はベルではなく音声により、火災の状態を館内の皆様にわかりやすく伝える事ができます。感知器の発報や発報した場所、本火災か非火災かなど、安全な避難誘導を音声警報によりサポートします。最近は非常放送設備単独ではなく、自動火災報知設備との連動により設置されているケースがほとんどです。

実際には収容人員により設置が義務付けられておりますが、病院、老人ホームや保育園、ホテルなどには設置する事が望ましい事となっています。

非常放送設備の点検で感知器発報と連動してスピーカから音響が鳴動するか、各部屋のスピーカの設置と鳴動の確認、10m範囲内にスピーカが設置されているか、火災、非火災の放送内容が問題ないか、バッテリ電圧に異常が無いか等を点検します。

自動火災報知設備の総合盤による非常ベルやサイレンは音が大きくて火災の際には広範囲に聞こえやすいですが、あまりにけたたましい音であるため老人ホームや人の多い場所では混乱する恐れがあります。火災以外の誤報などもありますから、人に優しい音声で知らせる非常放送設備が設置されている事が望ましいといえるでしょう。
  
        非常用放送設備

 

 屋内消火栓設備は非耐火で700平米、耐火構造で1400平米以上の中規模以上の大きさの建物で設置が必要となる設備です。ただし、マンション等の共同住宅では特例制度があり、必ずしも設置が必要というわけではありません。またスプリンクラー設備が設置されている建物では、手動で消火活動が必要な屋内消火栓設備より自動で消火を行なうスプリンクラー設備の方が位置付けが高いため、屋内消火栓設備の設置は必要ありません。

屋内消火栓設備は主に、ポンプ、水源、消火栓BOXとホース及び配管から構成されています。
スプリンクラー設備と違い、配管内に水が充満されている必要は無く、消火活動を行なう際には押しボタンを押下する事によりポンプを起動し、ホースを伸ばしバルブを開けて放水をします。

屋内消火栓には1号消火栓と2号消火栓があり、1号消火栓は2人以上で操作する必要があります。なぜなら、1人で操作した際にホースの根元のバルブを空けると共にノズルから勢いよく水が出てノズルが竜の如く空を舞う事となってしまうからです。従ってバルブを開ける際には必ずもう1人がノズルをしっかりと持って放水体制となっている必要があります。

2号消火栓の場合には1人で操作が可能となっています。バルブを開けてもノズル側で開閉操作が可能なため、ノズルの先で水が止まるしくみとなっています。またホースが保形ホースといって堅いタイプのもので水が通る事により動く危険が少ない為、バルブを完全に開けてからホースを伸ばしノズルの先のレバーを開けて放水を実施します。

屋内消火栓設備は手動による消火活動を行う為の設備であるので是非、消防訓練の際に消火訓練をして操作を覚えておきましょう。

  
      屋外消火栓放水試験


 

 消防機関に通報する火災報知設備(火災通報装置)とは、手動あるいは自動で消防署へ火災である旨を通報する装置のことをいいます。

手動の場合は火災通報装置の押しボタンを押す事により119番通報して音声メッセージにより物件名を通報します。そのあと消防署から逆信に出ることにより消防署職員と会話ができます。

自動の場合は自動火災報知設備と連動し感知器が作動すると自動で消防署へ通報を行います。同様に消防署から逆信に出ることにより消防署職員と会話ができます。

手動か自動かは用途によって定められています。老人福祉施設等は自動で設置する事が義務化されていますが自動の場合だと感知器の誤作動でも消防署へ通報する事となり大変ですので、誤作動が多く発生しないようにきめ細やかな火災報知機のメンテナンスが必要です。


火災通報装置作動試験



 

 ガス系(ハロン,CO2)消火設備は主に、スプリンクラーや消火栓などの水を使用した消火ができない場所に対する消火設備となります。立体駐車場や、電気室、通信機械室など、水を使用した際にその場所の機能自体が損なわれる為、このような箇所ではガス系消火設備を使用します。

ガス系(ハロン,CO2)消火設備は主に、ハロン・CO2ガスボンベ、起動用ガスボンベ、制御盤、手動起動装置、放出口から構成されています。手動起動装置にて押しボタンを押下すると避難するようアナウンスが流れ、30秒後に放射される仕組みです。ハロンや二酸化炭素が放出されると部屋内の酸素濃度が低くなり(窒息効果)消火される仕組みです。

当然ながら、窒息効果ですから部屋の中に人がいた場合、死に至る危険があります。実際に点検作業中に死傷者が出た例もあり、十分に注意して点検作業に従事しなければなりません。

また中には感知器作動により自動で放射される仕組みのガス系消火設備も存在します。ガス系消火設備がある施設では必ず、制御盤にて手動にした後で自火報の点検をする必要があります。

最近では、ハロン消火設備に使用されるハロンがオゾン層を破壊するため新規での設置はなくなりました。また、二酸化炭素消火設備はハロン等の消火設備に比べ人体への影響が大きい事から、イナージェン(N2)消火設備が新設されています。


放出表示灯確認


消火ボンベのガス量測定


その他の消防設備につきましては随時、追加していきます。

       


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編集・発行 有限会社多摩栄広商事 担当 梅原秀和
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