消防設備点検におけるよくある質問を対話形式で記載します。

消防設備点検Q&A1

本ホームページでは、消防設備点検とは何か?ご存知で無い方のために、十分にご理解して頂くために開設致しました。少しずつの更新ではありますが、消防設備点検について書いていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

 消防設備点検について建物のオーナや管理者から様々な質問を電話やメール等で頂きました。 消防設備点検について、何気ない私とお客様のやり取り(Q&A)を以下に書いていきます。

【点検写真帳】
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自動火災報知設備 感知器発報試験


■Q&A1(消火栓ホース耐圧試験について)

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お客様 消防設備士
急に消火栓ホースの耐圧試験をするように既存保守業者から依頼があったんだけど、点検項目に含まれていないの? 消火栓ホースの耐圧試験は製造から約10年経ってはじめて試験が必要になります。従いまして通常の点検項目には含まれておらず、10年経過後の実施とその後は3年に1度毎に耐圧試験が必要となっています。なので時期がきた際に別費用として消火栓ホースの耐圧試験費を頂く業者が普通と思われます。
毎回の点検では、そのような話が無かったんで予算としては考えていなかったよ。ホースの耐圧試験ってそんなに大変なの? 消火栓ホースの耐圧試験は専用のホース耐圧試験機が必要で、水道の近くに耐圧試験機を置いて、各消火栓BOXからホースを外して試験機にて水圧をかけて5分間漏れが無い事を確認します。そのあと水を抜いて乾かしてからホースを元に戻します。結構、重労働ですよ〜
そもそも、耐圧試験して漏れる事なんてあるの?やる意味あるのかな? 消火栓ホースの保存状態にもよります。10年以上経過してくると結構な割合で漏れが生じます。ホース自体に漏れが生じるのではなくてホースとノズルの間とかの結合部分にて漏れが生じてきます。放水試験などで使用していると漏れやすくなってきます。なので10年経過すると耐圧試験を行わずホースを全数交換するケースもよくあります。
そうなんだ、不良の可能性があるのか。。耐圧試験するのと、全数交換するのはどちらの方が得なのかな? 消火栓ホースの状態によってだと思います。消火栓ホースの耐圧試験を点検とは別で実施するのではなく、点検時に実施してもらうよう保守業者に依頼すれば安くやって頂けるのではないでしょうか?その結果次第で3年毎の耐圧試験を実施していくのか、全数交換するのかを判断してみたらいかがでしょうか?
そういえばアシモリのホースがなんか不祥事でニュースになっていたけど、あれは何? アシモリ製の消火栓ホースでは、 個別検定受検時に不正行為がありまして耐圧試験に問題があったまま市場に出回った商品が存在している可能性があります。ホームページによりますと芦森工業株式会社では、安全確認作業に全力を注ぐとの意向であり、アシモリ製ホースがある際には担当者が調査にお伺いし、外観や金具の口元等についての目視確認をさせていただきご所有のホースをアシモリ社で一時的にお預かりし、アシモリ社に持ち帰らせていただいたうえで、「性能確認」(ホースとしての基本機能を具備しているかどうかの確認) をさせていただくとの事です。
それはいいね、うちのはアシモリ製なのかな?ホースはアシモリがほとんどなのかな? アシモリジェットホースの他に、サクラロケットホースやキンパイホース、横井製作所の架セット君などがありますが、アシモリのシェアも結構多いですね。
うちのがどうだったか調べてみるよ。あと、連結送水管の耐圧試験もするようにとの事なんだけど、こっちもホースを耐圧試験するの? 連結送水管の耐圧試験は、連結送水管の配管自体を耐圧試験致します。こちらも10年経過後、3年毎に試験が必要です。消火栓ホース同様に連結送水管のホースも耐圧試験が必要ですね。
そうかー配管に圧力をかけるのか。どうやってやるんだい?大変そうだね。

連結送水管の耐圧試験ではポンプ車を建物の送水スタンド付近に停め、車に積んであるポンプを使って送水スタンドから水を送っていき配管に圧をかけていきます。特に配管が埋設されている場合、漏れの確率が高くなってきます。圧が上がらないと、火事の際に消防車が連結送水管を使用しての消火作業が十分にできませんから、とても必要な点検です。

わざわざポンプ車を呼んで水圧をかけるなんて凄いね、配管が破裂したりしないのかな?水圧が上がらないとどうするんだい?

水圧をかけて配管が破裂するというのは聞いたこと無いです。水圧が基準の圧力値に達しない場合、不良となりますので大規模な調査改修となりおおごとですね。まずは調査ですが、配管埋設部での漏れや屋上の補給水槽の逆止弁の不良などが主に推測されます。ただ配管の漏れの場合、場所を特定するのはなかなか難しく、またそこの部分だけの配管を交換するのも大変な作業だったりもして迂回ルートでの引き直しだったりと、様々な改修方法が考えられます。まずは調査してからの見積査定となるでしょう。

配管を引き直すとするとかなり費用がかかりそうだね。。 そうなんです・・・・・・

↑上記やり取りでわかるように、毎回の消防設備点検の費用について文句は出ないですが、改修に発生する費用については問題となってくる事がしばしばあります。消火器にしろバッテリーにしろ、なるべく改修が発生する事が想定される事については前もって事前通知する事で回避できると思います。消火栓ホースや連結送水管の耐圧試験についても10年経過したら実施しなければならない事を前もって通達しておく事が大事だと思います。
 

■Q&A2 自動火災報知設備と住宅用火災警報器について

お客様 消防設備士
新しくテナントとして営業する予定なんだけど管理会社から火災報知機を設置するように言われたんだが、テレビでやっている警報器をつければいいのかい? お客様が営業されようとしているビルは自動火災報知設備が設置されていると聞いております。自動火災報知設備というのは大もとの受信機というのがありまして、そこから各階、各テナント、各お部屋へ配線されており、熱又は煙で火災を感知すると建物全体で音が鳴動する仕組みです。ところがテレビで宣伝している住宅用火災警報器は電池式で自分自身でしか音が鳴りません。従いまして、テレビで宣伝している住宅用火災警報器では駄目ですね。
そうしたら、配線をして感知器をつけなければいけないのか、大変だな。おたくでやってもらえるのかな? はい、うちで工事を承っています。ただ以前より自動火災報知設備が設置されていたようなんで、感知器ももともと設置されていたはずですけど、天井に丸い感知器のようなものはありませんでしたか?管理会社に聞けば判ると思いますが。
どうだったかな?いくつかは見かけたけど。でも、結構中をいじっちゃってね、1つの部屋を半分に間仕切りしてテナントを二つにしたんだよ。向こうのテナントにはあったかもしれないな。 そうですか。自動火災報知設備というのは基本的に仕切られている空間毎に感知器を設置する必要があります。なので、間仕切り変更をした際には少なくとも感知器を増設する必要がありますね。まず、どんな状態なのか一度、訪問させて頂ければ見積りが可能ですけど。
来てもらっても構わないけど、そうすると数千円ってわけにはいかないな? 配線工事と感知器設置、あと消防への届出も必要になってくるかもしれませんから数千円では無理ですよ。あと細かい事をいいますとテナントが変更された場合には東京ですから消防へ防火対象物使用開始届というのを提出しなければならないんですよ。
防火対象物使用開始届とは何かな?

建物の一部を新たに使用し始める場合や、間仕切りや内装を変更する場合、用途変更を行う場合などに提出が必要で、表紙に住所やオーナ名や連絡先、用途など必要事項を記入して図面を添付して消防に届ける必要があります。業者でも代行は行ってますが、消防に問い合わせして自ら作成した方がよろしいかと思います。

それじゃあ、一度下見に来てもう少し詳しく話しを聞かせてください

わかりました。

↑上記やり取りでは、自動火災報知設備と住宅用火災警報器を混同した例を挙げています。倉庫の中に仮設事務所を作りその中に感知器を設置しなければならないのに、代わりに住宅用火災警報器を設置したなんてケースもしばしば見受けられます。消防設備点検では建物全体を防火対象物とみなし点検を実施します。住宅用火災警報器は自分だけ、その場所だけのものですから消防設備点検の設備には該当できません。
 

■Q&A3 消火器の交換期限について

お客様 消防設備士
消火器は何年使用できるんですか?よく8年とかいうけど、錆びたりしてなければ8年以上でも使用しているみたいだけど。 仰るとおりでして消火器の耐用年数は8年です(エアゾール式は5年)。ただし8年を経過しても、我々消防設備士が点検を行ない、異常がないと判断すれば8年以上使用しても良い事となっています。ただし、その際には薬剤の詰め替えを定期的に実施する事により8年以上、使用する事ができます。
定期的な薬剤の詰め替えというのは何年なんですか? 粉末薬剤、強化液等は5年です。化学泡薬剤は1年毎の詰め替えが必要です。
5年毎の詰め替えとか消火器の耐用年数8年とかっていのは消防法とかで定められているのですか? 消火器の耐用年数8年というのは、メーカにて交換目安として定めておりましたが、曖昧だという事となり、PL法により8年と定められました。薬剤の交換期限は法により定められてはいませんがメーカ推奨により5年としています。(ミヤタ社ホームページ:http://www.gear-m.co.jp/bousai/shokaki/qa.html のQ5参照)
結局のところ、5年毎に詰め替えと8年毎に交換するのとどちらが良いのですか? 弊社では5年毎の詰め替えを推奨しています。定期的な点検を実施して消火器の維持管理をしていれば悪環境に置かれていない限り不良になる事は少ないと思います。弊社ではCO2削減を推奨しており、8年で消火器を捨てるよりは薬剤のみ交換して容器を使い続ける事を推奨しています。
費用的にはどちらの方がお得なんですか?

最近では消火器本体の値段もだいぶ安くなってきており詰め替え費用とあまり変わらない値段になってきておりますが、弊社では消火器購入より詰め替え費のほうが2〜3割安くなっております。また廃消火器リサイクルシステムの制度より来年(2011年)より消火器の費用が上がります。消火器購入の際には既存消火器の廃棄費用も考えなければなりません。

廃消火器リサイクルシステムって何ですか?どのくらい値段が上がるんですか?

消火器の破裂事故があとを絶たない事を受け、消火器の廃棄・運搬は広域認定を受けた業者でないとできない事になりました。2010年からは消火器にリサイクルシールが貼られ、そのシールが貼ってあれば無償で消火器を広域認定を受けた専門業者へ依頼する事ができます。ただし、シール分、消火器の費用が高くなります。500円〜1000円高くなると聞いています。今後、消火器を購入する際にはシール分高くなった消火器費用と既存消火器の廃棄費用がかかります。

      


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